>>>008:ビデオ>>>>





絶対に許さない。


許せる訳がない。



ねぇ 昨日までの幸せな日々は全部 嘘だったの?

一緒に笑ったり 泣いたり 時には怒ったり

悩み事の相談も聞いてくれた。 勉強も教えてくれた。 いつも見守ってくれてた。

大好きだった・・・ 尊敬してた・・・

ずっと このままで この環境で過ごしていきたい


そう思ってたのに… それは私の片思いだったの?


























陽気な音楽と共にテレビに映し出された人物を見た時 胸がすごく すごく締め付けられるように苦しくなった



信じられなかった 目の前の光景が テレビに映し出されている映像が







『はーいv皆vvこんにちはー!!今からゲームの簡単なルール説明をしまーすvv』
『ちゃんと聞いてないと駄目だぞ?』
『無駄口をしないでしっかりと話を聞くように。』




テレビに映し出されたのは3人の人物



それも 私達がよく知っている人物








『ルール説明をさせて頂きますのは 私、香取夕子と』
『風祭功と』
『桐原総一郎だ。』








信じられない 信じたくない



何で?何やってるの?







「ゆ…夕子…ちゃ…ん?」
「功…兄…どうし…て…」
「…親父…何やって……」
「監督が…何でこんな事・・・」




有希達の口から零れた言葉




ソレは 裏切られた思いでいっぱいの言葉







「何で?そんな…どうして…先生たちが…先生達までこんな事…」



私も思わずそう呟いた






その後はもう何も聞こえなかった
いや 聞きたくなかったのだ

これ以上 自分が信頼していた大人達が自分達を裏切るような言葉を





私はビデオが終わるまでずっと 結人に震えながらしがみついていた



結人もしっかりそれを受け止めていてくれた



それはその時の唯一の心の支えだった









『…まぁこんな感じでルール説明は終わりです!
それじゃぁ皆!頑張ってね!!応援してるわよv桜上水の皆vv』
『将!頑張れよ!!兄ちゃんは将の帰りを待ってるからな!』
『…竜也、しっかり生き残るんだぞ。いいな。』





何て惨い




何を頑張るっていうの?




帰りを待ってる? 生き残れ?




それは 自分の教え子に 自分の弟に 自分の息子に 人を殺せって事?




それが 家族の言う言葉? 教師の言う言葉?







「っ…なんで なんで なんでっ なんでそんな事言うのよっ!?」



ビデオが終わった時だった

有希が大粒の涙を零しながら叫んだ





それは私も思ってた事。 私も言いたかった事。



きっと ここにいる皆が思っている事に違いない。










「…これでだいたいのルールは分かったわね?
質問はある?」




そんな悲痛な有希の言葉に耳も傾けず 玲さんは冷たく進行をする





――っ玲ぁ!いったいどうしちゃったんだよ?!
おかしいだろこんな事!もっと頭冷やして考えろよっ!!」


「別にどうもしないわよ。
さ、質問が無いみたいだからゲーム開始ね。」




翼さんの訴えも空しく




玲さんはまた笑顔で






「 さぁ ゲームの幕開けよ。 今から皆にちょっと殺し合いをしてもらいます。 」





ついに始まってしまった。




悪夢のような 悲惨な殺し合いゲームが。






もう 元には戻れない




なら やってやろうじゃないの。






みてなさいよ? 醜い大人ども




子供を甘く見るとどうなるか 思い知らせてやる―――




絶対に 許さないんだから
























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