>>>004:混乱>>>>





何か生温かいモノが私の頬に触れた。


目の前が赤く 赤く染まった。










「ぃ・・・いやぁぁあぁぁぁーーーー!!!!」












そう、木田くんの首に付いていた首輪が爆発したのだ。







さっきまで叫んでいたのに

さっきまで息をしていたのに








もう






もう二度と動く事はない












電池が切れたオモチャならば
新しい電池に換えればまた前と同じように動き出すだろう









でも 人間は

命が尽きれば 二度と動き出す事はない

















「・・・ぉ、おい、木田?
なんだよ・・・コレ?何かのアトラクション?
だったらこんな冗談・・・止めろよな。」


何も知らない 木田くんの叫び声で目を覚ました桜庭くんが
木田くんの側で苦笑いをしている。






今の時点で真実を知っているのは私と・・・翼さんと・・・







「木田?・・・おい、木田・・・?
いい加減に・・・・・・・」


桜庭くんの表情が見る見る変わっていく。






「ぅ、うわぁぁあぁーーっ
し、死んでる!ホントに死んでるっ」





その桜庭くんの一言で周りが叫びだす。



教室中に緊張した空気が張り詰める。






そんな中、まだ数人は何も知らないまま
スヤスヤと幸せそうに寝息をたてている。







っ!お前はっお前はさっきから起きてたんだろ?!
なぁ?!何が…何があったんだよ?!」



私のすぐ側にいた上原くんが私の肩を揺らしながら問いかけてきた。


私はまだ頭の中がグチャグチャで・・・





「何があったって・・・ソレは・・・・・・」




曖昧な答えしか口にしない私の肩を上原くんは更に勢いよく揺さぶる。










だって言えるわけがない。





翼さんと木田くんが言い争った果てがコノ結果だなんて・・・










私が翼さんと口論になってしまったから 木田くんを起こしてしまった。




そして 今度は翼さんと木田くんが口論になった







こうなるかも知れないと予測してたのに



私は2人を止められなかった













それに 本当の事を言ってしまったら・・・









だって今 一番苦しんでいるのは翼さんなんだから・・・








これ以上 翼さんを苦しめられるわけがない












さっきから翼さんはまるで


まるで凍ってしまったように 人形のようにずっと固まったままだ


















「はっきりしろよ!
それにココ何処なんだよ?!何で俺たちこんな所にいるんだよ?!」

「そんなの・・・そんなの私に聞かないでよっ!!
私だって何がなんだか分からないんだからっ
私の方が聞きたいわよ!何でこんな目に遭わなくちゃなんないのよっ!」


混乱していた私は上原くんをおもいっきり突き飛ばしてしまった。




上原くんはいきなり突き飛ばされてバランスを崩し
ついさっき死んでしまった木田くんの上えと倒れこんでしまった・・・




「ひっ・・・」




上原くんの制服が赤く 赤く染まってゆく。






「あ・・・」


私はやっと正気に戻って後悔したが もう遅い。




上原くんの顔はだんだん恐怖の顔へと歪んでいく。
















その時だった。



教室のドアがいきなりガラリと音を立てて開いたのは―――















NEXT>>

<<BACK