>>>006:大人>>>>







大人はいつだってそうだ。



自分勝手に子供を利用する。


大人は醜くて汚い生き物。


私は絶対にそんな大人にはならない。





きっとならないとか言う前に 大人になんてなれないかもね?

























「さぁ、プロローグはお終い。今からが本編よ。
私を楽しませる素敵な物語を期待しているわ。」



「何が…何が素敵な物語だよっ!ふざけんなっ」


「なぁに?若菜くん。何か言いたい事があるみたいね?」


「当たり前だろっ!言いたい事がねぇ方がおかしいっつの!
なんで俺等がこんな馬鹿げた事やらされなきゃならねーんだよっ!!!」



「そうだっ!若菜の言うとおりだぜ!なんで俺達がこんな事っ!!」




怒りを抑えきれなくなった結人が玲さんに反抗する。
それにつられて畑くんも。











玲さんは まだ笑顔を絶やさない。
















「だいたい何で俺達なんだよ?! 俺達は将来有望なサッカー選手なんだぜ?」

「俺達はサッカー選手になるって夢があるんだよっ!!」

「こんな訳の分からない事いきなり言われて、
『ハイ、そーですか』って簡単に納得なんて出来る訳ねーじゃん!」




結人につられて畑くんの他に鳴海くんや桜庭くん、誠二くんまでもが反抗しだす。









その時


今まで絶やす事の無かった笑顔が玲さんから消えた。





その瞬間の玲さんの表情はまるで死神のようで、、
その表情を見た瞬間 血の気がサァーとひいていくのが自分でも分かった。











「や、止めてっ!皆止めてっ!!!」


私は無意識のうちに叫んでいた。



そして飛びついた。








結人に








「う、わっ!」



私が飛びついた事によってバランスを崩した結人は私もろとも床に倒れこんだ。
















私達が倒れこむ音とほぼ同時ぐらいに 別の何かが倒れた音と大きな音が耳に入った。




火薬の臭いが鼻を衝く。















まさか、、





恐る恐る顔を上げた。


そして 目に飛び込んできた光景は 地獄。



皆の叫び声が響き渡る



私は何故かその光景から目が離せなかった



声も出せない 動く事も出来ない



それは結人も一緒みたいで



私は必死に結人にしがみついた 何かにつかまっていなくてはいられなかった
























目の前の光景





血の海






ソノ血の海の中心に倒れているのは




























畑 六助





































玲さんは最初に反抗した結人目掛けて銃を発砲したのだ。



でもその瞬間に私が結人に飛びついたから 玲さんの狙いは外れた。



そして、丁度結人の真後ろに居た 結人につられて2番目に反抗した人物



畑 六助の脳天に命中した。



頭を銃で撃ちぬかれたのだから 畑くんは即死だった。



叫び声もあげることなく ただ 床にドサリと倒れこんだだけ。




そして 赤い 赤い 血の海が廻りに広がった








コドモ達の叫び声がまだ狭い教室に響き渡る



それは当たり前の事だろう



だっていきなり目の前で人が撃ち殺されたのだから 叫び声をあげない方がおかしい



なのに なのに狂ってしまったオトナはコドモ達に冷たく言い放つ





「…煩いわねぇ。これから自分達で人殺しを始めるって言うのに。
今、1人死んだくらいで騒がないで頂戴。頭が痛くなるわ。

 …静かにしなさいって言ってるでしょう?
これ以上まだ騒ぐって言うんなら もう1人ぐらい死んでもらおうかしら?」




なんて酷い事を言うのだろうか この人は?



そもそもアレは人間なの?



昨日まで ココに来る前までは あんなに優しい 優しい人だったのに












ねぇ? どうしてそんなに変わってしまったの?





玲さん






いったい アナタに 何が起こったのですか?









畑くんはアナタの学校の生徒でしょう?


翼さんの親友でしょう?


きっと今まで 家に遊びに来た事もあったんでしょう?





なのに ねぇ? ドウシテ?










その時、木田くんが死んでから動こうとしなかった翼さんが立ち上がったのが見えた。



















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